運動は継続するのが大事! 運動の重要性と続けるためのヒント
腰痛・肩こりなどの慢性的な痛みは、姿勢の悪さが原因
トレーニングジムに通っている人は健康的な毎日を送っているイメージがあると思いますが、腰痛や肩こり、関節痛などで合わせて整骨院や整形外科に定期的に通っている人も少なくありません。しかし、そういった方とお話ししていると「◯◯に行った直後はいいけれど、また痛くなるんだよね」「何カ月通っても良くならなくて」とおっしゃることが多いです。実は、通院だけではなかなかそういった痛みは良くならないのです。
本来、腰痛や肩こりなど数カ月も続く慢性的な痛みの多くは、日々の運動やストレッチで改善していくことが必要不可欠です。なぜなら、そういった痛みは、日常的な動作や生活習慣、姿勢などが原因で引き起こされていることがほとんどだからです。
例えば、「長時間座ったままパソコン作業が多い」「赤ちゃんをずっと抱っこしている」など同じ姿勢をずっと続けていると、一定部分の筋肉が過剰に緊張してしまってどうしても猫背や巻き肩になりがちです。また、正しくない姿勢のまま無理な動きをすると、腰痛や関節に痛みが出る原因にもなります。そうならないために一番大切なのは、「姿勢の悪さを修正すること」です。
しかし、姿勢の悪さの原因が仕事や子育てといった「変えようがないもの」であることも多々あります。その場合は、日々体のメンテナンスをするしかありません。毎日、ストレッチやエクササイズをすることで、都度体を正しい状態に戻すようにアプローチをしていくのです。
もちろん、整形外科や整骨院に通っても全く効果がないというわけではありません。ただ、姿勢や生活習慣が原因となっている痛みは、週1程度の通院では完全に良くなることは難しいですし、通わなくなってまた調子が悪くなるといったことを繰り返しがち。根本的な解決につながりにくいのが悩ましいところです。
歯磨きもエクササイズも習慣化させるのが大事
「GROUND RULE.」のお客様に、「ゴルフが好きなのだけれど、スイングするたびに肘の関節が痛む」とおっしゃる方がいます。どのような動きをすると痛むのか、体の状態はどのような状態かを拝見すると、その方の姿勢は猫背で巻き肩。そのため、その状態でスイングしようと腕を後ろに引くと、過剰に関節が引っ張られて痛みになっているようでした。
痛みの原因がわかったので、「肩甲骨周りをしっかり解して、肩を正しい位置に戻せば負担が掛からなくなって痛みも減っていくはず」とご説明しました。試しに正しい姿勢に矯正した状態でスイングの動作を行ってもらうと、全く痛みが出ない。お客様も原因について納得してくださったので、家で5〜10分程度でできるエクササイズをアドバイスしました。姿勢の矯正は週1回のトレーニングではなかなか難しいので、「毎日の積み重ねが大事」ともお伝えしました。
その方は、初めのうちはお伝えしたストレッチやエクササイズをきちんと家で行ってくださって、症状も改善されていたそうです。しかし、少し調子が良くなったことで家でのエクササイズを止めてしまいました。そして、すっかり私たちがお話ししたことを忘れてしまったのでしょう。先日、トレーニングをしながら話していると「また腕が痛くなったので、最近は整骨院に通っているんだ。でもなかなか良くならないんだよね」とおっしゃるのです。
姿勢は、毎日の積み重ねの結果です。だから、1回正しい位置に戻せばいいわけではありません。もちろん、その原因を意識して改善できればいいですが、前述したように仕事や育児、家事などが理由の場合は仕方がありません。その場合は、その状態と付き合っていくしかないのです。では、どうすればいいかというと、改善するためのエクササイズやストレッチを毎日の習慣にすればいいのです。
例えば、「虫歯になるから」といって、食べることをやめる人はいません。ではどうするかというと、食後に歯磨きをすることで虫歯にならないよう予防します。また、虫歯になったからと言って1、2回の歯磨きで虫歯が良くなることもありません。姿勢もそれと同じです。食事後の歯磨きと同じように、1日中パソコンに向かった後はストレッチやエクササイズで体を正しい状態に戻す。それを習慣化させていくしかないのです。
この話を、改めてそのお客様に説明したところご理解くださり、「また家でエクササイズをやってみるよ」と言ってくださいました。習慣化していくには、ご本人の意識改革も必要ですが、私たちも繰り返しお伝えすることで、引き続きサポートをして痛みが改善されるお手伝いをしていきたいと思っています。
運動を習慣化させる6つのヒント
実は、事例としてご紹介したお客様に限らず、同じような方は非常に多いです。みなさん、「運動やエクササイズは毎日したほうがいいとわかっているけれど、続かないんだよね」と言います。もちろん、その気持ちもよーくわかります。運動に限らず、何かを継続するのは非常に難しいこと。では、一体どうすれば運動を続けられるようになるのか。いくつか私の経験も踏まえてヒントをご紹介するので、できそうなことからチャレンジしてみてください。
1.運動する時間を決める
毎日、朝でも夜でもいいし10分程度でも構わないので、「毎日朝7時にこの運動をする」と決めることです。「時間が空いたらしよう」と思っていたら、いつまでたっても実行されることはありません。「空いた時間で」ではなく、する・しないの選択肢は作らずに毎日のスケジュールに組み込んでしまいましょう。または、いつも行っているルーティンのような日常動作(例えば洗顔や歯磨きなど)の後に「次は運動する」などと決めてしまうのも良いでしょう。その際は、家族への対応や仕事の電話などの外部要因が入りづらい時間帯を選んでください。私のオススメは朝です。1日が24時間なのはみんな平等。本当に何か変えたいのであれば、あとは「やるか、やらないか」です。
2.モチベーションが上がる道具を手に入れる。
気分が上がるトレーニングウェアや新しいランニングシューズなど、運動したくなる・使いたくなる道具を先に買ってしまうのも手です。道具の力を借りて、やる気をアップさせるのもお勧めです。私もなるべく自分がときめく、モチベーションが上がる道具を準備してから運動を実践しています。「続かないかもしれないから、適当な道具でいいや」と妥協したものを使うのはオススメしません。やるなら、自分の納得いくものを選択し、手に入れるほうがいいと思います。
3.目標を決める
ダイエットが目的であれば、「この人みたいな体型になる!」という憧れのスタイルを、体に痛みなどの不調があるなら「この程度動けるようになる」という目標を決めるいいでしょう。目標があれば、その目標との差を埋めていけばいいので取り組みやすくなります。その際、数値化できる目標(目標タイム、目標体脂肪など)を立てると、より目標が明確になっていきます。
4.記録する
前述の「目標を決める」にも関連しますが、ダイエットなら体重や体脂肪、サイズの変化などを記録するといいでしょう。体の不調を改善したい方なら、姿勢や歩き方を撮影しておくのも手です。改善されていく様子を自分で確認できることがやる気につながります。達成されると自己肯定感も上がるのでお勧めです。最近は、みなさんがお持ちのスマートフォンなどで運動を自動記録してくれるアプリもたくさんあります。そういったものを使ってみるのもオススメです。
5.詰め込まない
今まで運動やエクササイズを全然していない人が、急に「あれも、これも」と取り組んでも長続きしません。スモールステップでいいので、少しずつできることを増やしていく方法を取りましょう。
6.伴走者を作る
上記の方法を試しても「どうしても一人では続けられない」という方は、伴走者をつくりましょう。その際、友人ではなく、できればプロのトレーナーなどに依頼することをオススメします。なぜなら、友人だと相手の都合で予定が変わってしまって続かないといったことが起こりやすいからです。ジムやトレーナーに予約を入れると、相手都合の変更はほぼありませんし、「ちゃんと行かなきゃ」という気持ちになるので、一人よりもずっと続けやすくなります。「毎回プロのトレーナーに頼むのは予算的に難しい」という方もいるかもしれませんが、月1回や2回だけでもプロにチェックしてもらうと意識は変わってくると思います。
運動を継続して、いつまでも元気に機能的に動ける体を手に入れよう
ご紹介した方法を試しながら、ぜひ「毎日体を動かさないと気持ちが悪い」と思えるところまでしっかり習慣づけていただければと思います。運動もエクササイズも、すべて自分がいつまでも元気に、機能的に動けるためのもの。中には、病気や腰痛などで「すごくつらい思いをしたから毎日歩いています」という方もいます。しかし、それは「2度と同じ思いをしたくない」といった恐怖心によるもの。できればそんなつらい経験をしなくていいように、運動を続けていただきたいと思っています。毎日10分でも構いません。ご自身のために、ぜひ時間を確保して取り組んでください!
投稿者:矢野 耕二