きれいな姿勢、正しい姿勢とは
姿勢には静的なものと動的なもの2つの視点がある
こんにちは、北九州パーソナルトレーニングジムGROUND RULE.代表の矢野耕二です。
今回はクライアントの皆さんからよく質問を受ける「姿勢」について書いてみます。
はじめに皆さんは姿勢と聞いて、どんなイメージを持たれるでしょうか?
一般的には、背筋を伸ばし、アゴを引き、手をきちんと揃えるなど、まるでモデルさんのような凛とした姿がイメージとして浮かぶ方が多いかもしれません。
これには決して間違いはありませんが、実際には姿勢には大きく2つのパターンがあります。
1つ目は、「静的姿勢」。
いわゆる立ち止まっている時の状態で、多くの方が想像する姿です。これは解剖学的な視点から視るもので、例えば前や横から見て、特定のポイントが直線上にあるかどうか?位置関係などを確認します。
横から見ると、耳と肩(肩峰)、大転子(体側の足の付け根あたりにある骨)、膝、くるぶしが一直線になるような姿勢です。これは一目瞭然で分かりやすいでしょう。
2つ目は、「動的姿勢」と呼ばれるものです。
静的な姿勢があれば、動的な姿勢もあると考えてください。例えばトレーニングの際に正しいスクワットの動作や歩く際の姿勢、デスクワークでの正しい座り方、洗濯物を干す際の姿勢、重い段ボール箱を持ち上げる際の姿勢など、これらは全て「動的な姿勢」……つまり、動作の中での姿勢です。
「動的姿勢」はスポーツにおいてはパワーポジションなどと呼ばれ、様々な動作の中で関節や筋肉に適切な負荷を掛けることで、無駄なく、効率的にエネルギーを発揮できる姿勢を指します。この姿勢にも良し悪しがあり、「力を効率良く出す」という点と「関節に無理な負担をかけない」という側面においてとても重要になるのです。
例えば、次の写真の様に床にある荷物を持ち上げる際の姿勢がわかりやすいでしょう。
両方の姿勢を見れば一目瞭然ですが、悪い姿勢で重い荷物を持ち上げると、過度に腰へ負担がかかり、痛める可能性が高くなります。
荷物を持ち上げるのみに関わらず、様々な動きをする際に、腰を過度に曲げたり、背中が丸まりすぎたりしないように注意することで、姿勢が改善される可能性があります。
静的な姿勢を維持するためには動作を鍛えよう
特に立っている際に行う動作では「重力」という要素が重要です。重力の影響を受けながらも、体をしっかりコントロールする能力が求められます。前に倒れないようにするには、腹筋や背筋をしっかりとコントロールする必要があります。しゃがむ動作であれば、股関節や膝、足首が適切に動いたり、重心が前後に過度に倒れすぎたりしない様に。
そのためには、筋力や柔軟性、正しい身体の位置を認識する感覚センサーが必要です。これらは静的な姿勢を維持する際にも重要な役割を果たします。
静的な姿勢をコントロールするためには、まずは動的な姿勢の動作を正しく鍛えることが重要です。つまり、「動作を鍛える」のです。これにより筋力や柔軟性が向上し、結果的に立ち姿勢も美しくなるのです。
ですから、単に筋肉を鍛えるだけでなく、様々な運動を通じて動作を鍛え、それによって筋肉や柔軟性が向上することが重要なのです。
例えば、ストレッチをしてもなかなか猫背が改善しない、体幹トレーニングをしても反り腰が改善しないと感じる方は、「正しく動作を鍛える」という視点で取り組むことで解決するかもしれません。
具体的なエクササイズについては、GROUND RULE.公式インスタグラムにあるエクササイズでいくつか事例を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
以上、本日は「きれいな姿勢、正しい姿勢」とはについて考えてみました。正しい動作を通じて初めて、姿勢を改善することができるのです。
矢野耕二