有酸素運動の驚くべき効果・効能とは
「運動したいけど、何から始めたらいい?」という方へ
こんにちは、GROUND RULE.矢野耕二です。
新しい年のスタートと共に、「今年こそ、定期的な運動をする!」「しっかり運動して○kg痩せるぞー!」などと決心した方も多いのではないでしょうか? しかし、早くも1ヶ月が経過し「運動」と一口に言っても、筋トレやランニングなど様々なものがあり、「何をしたらいいかわからない」、「イマイチ効果が出ない」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないかと思います。
運動は、筋トレなどの「無酸素運動」と、ランニングや水泳などの「有酸素運動」の2つに大きく分けられます。もし、あなたが「ひとまず何か1種類、運動を始めたい」と思うなら、私はぜひ有酸素運動をすることをおすすめしたいです。
今回は、なぜ有酸素運動がいいのか、どのような効果があるのかなどについてご紹介します。
そもそも、なぜ運動が必要なのか?
現代社会において、テレワークやインターネットの影響で、生活はより便利になり、そしてコロナ禍の影響もあり、多くの人が外に出る機会が少なくなったりしています。そのため、視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚と言われるいわゆる五感、中でも視覚、聴覚、触覚への感覚的刺激が少なくなっています。また、運動不足によって、体をあまり動かさないので身体が硬くなっている。。と、心当たりがある人も多いのではないでしょうか?
また、精神的なストレスによって、過度の緊張状態にあるのも問題です。そのため、緊張した状態で呼吸を行っていたり、同じ姿勢が長時間続くことによる「巻き肩(肩が内側に巻いた状態)」や「猫背」といった不良な姿勢を「正常な姿勢」として認識してしまっていたりします。
当たり前になってしまっている不良姿勢を正常な状態に戻すためには、正しい呼吸法によるストレスの除去、生活習慣の改善、栄養の改善、 運動、体の操作性の向上といったさまざまなアプローチが必要になります。
こういったアプローチの中でも運動が重要で、今回は特に有酸素運動にフォーカスを当ててみます。
有酸素運動の効果・効能
アメリカの「身体活動ガイドライン」では、「1週間で150分から300分以上の有酸素性身体活動(中程度の運動)、または1週間で75分から150分以上の有酸素性身体活動(高強度の運動)を1回あたり10分以上、1週間を通して細切れに行う、かつ週2日以上の筋トレを行うと、がんや心血管系疾患、アルツハイマーとかの死亡リスクが4割近く減る」と提言しています。
また、以下のような最近書店でもよく見かける多くの本の中でも、「有酸素運動は最も効果的」と書かれています。
・『脳を鍛えるには運動しかない』(ジョン J. レイティ (著)、エリック ヘイガーマン (著)、NHK出版)
・『運動脳』『一流の頭脳』(Anders Hansen (著)、御舩由美子 (翻訳)、サンマーク出版)
・『LIFE SPAN 老いなき世界』(デビッド・A・シンクレア (著), マシュー・D・ラプラント (著), 梶山 あゆみ (翻訳)、東洋経済新報社)
その効果として、「脳由来の栄養因子(脳由来神経栄養因子/BDNF)が活性化する」「脳の血流アップによって酸素が脳まで運ばれて頭が冴える」「ドーパミンの分泌が良くなる」「交感神経・副交感神経の切り替えがうまくいくようになる」などが挙げられています。世界中の医師や研究者たちが、その効果を認めているのです。
このように有酸素運動は、運動による「健康への投資」として非常に価値があるものだと言えます。
有酸素運動の種類
次に、有酸素運動とは具体的にどのようなものかについてお話ししましょう。
有酸素運動とは、「呼吸と循環の循環器系の効率を高めるための運動」です。軽度から中程度の長時間持続可能な運動を行うことを「有酸素運動」と言います。代表的なものを挙げると、ウォーキングや軽いジョギング(LSD)、サイクリング、ローイング(ボート漕ぎ)などがそれにあたります。脂肪と酸素を主なエネルギー源とした運動であるため「有酸素運動」と呼ばれています。
反対に、無酸素運動とは「短い時間に大きな力を発揮する強度の高い運動」を指します。短距離走や筋力トレーニング、ウエイトリフティングなど、数秒〜1分半程度の短時間かつ運動強度の高いものがこれに当たります。エネルギーの発生に酸素を必要とせず、糖(グルコース)をエネルギー源として利用します(「体内の酸素を一切使わない」という意味ではありません)。
有酸素運動と無酸素運動では、運動強度や時間、エネルギー源などが異なるということです。
有酸素運動の4大効果
有酸素運動の効果・効能は前述しましたが、ここではより具体的な効果をご紹介したいと思います。大きくは次の4つです。
1)心臓の強化
心臓は年を重ねるごとに硬くなって伸長性が悪くなり、その結果、血液を送り出す力も弱くなります。しかし、有酸素運動を行うことで心臓(左心室)の伸長性(血液を貯める、送り出す力)を維持・向上することが可能となり、心拍数も安定化してきます。反対に、無酸素運動である筋トレばかりを行ってしまうと「短縮性肥大(マッチョで筋肉質な心臓を想像してみてください)」となり、血液を貯める空間が小さくなる事で心臓の血液を送り出す量が少なくなってしまい、心拍数の規則性も低下することがわかっています。
「心臓の強化」を目的とした場合、どの程度の有酸素運動が必要かというと、5〜10分程度の軽い運動でもリスクは改善できます。理想はもう少し長く、20〜30分程度行うのがベストです。
内容は、ウォーキングをしたり、話せるペースでジョギングをしたり、自転車を漕いだりといったことでOKです。比較的取り組みやすいものが多いですね。ウォーキングに関しては、非日常的なスピード……「普段は、こんなに早くは歩かないよね」という程度の負荷をかけた方が良いでしょう。
2)中枢神経への血液供給機能アップ
有酸素運動を行うことで、酸素を含む血液を脳にしっかり供給できるようになります。さらに、脳の前頭葉を活性化させるための脳由来神経栄養因子「BDNF」が有酸素運動により分泌されるということもわかっています。また、血液供給量がアップすることで、毛細血管が増加し、記憶力の形成につながったり、脳による糖の消費を促進したり、神経伝達速度が向上したりもします。
運動することは、脳にもいいことなんですね。
3)脂肪燃焼効果
多くの方が、有酸素運動に対して一番期待するのはこの効果だと思います。有酸素運動を行うことで、血中の悪玉コレステロールおよび中性脂肪を減少させることができるので、肝動脈疾患や高血圧の改善にもつながります。脂肪燃焼効果を狙うなら、20〜30分程度の有酸素運動をしっかり行うこと。そうすることで、体温が上がり、皮の下や内臓に蓄えられた脂肪が分解され、脂肪燃焼につながりますよ。
体のラインを整えるには筋トレももちろん効果があるのですが、体重を落とすという意味でも有酸素運動が適しています。
4)神経伝達(モーターコントロール)の改善
「神経伝達の改善」とは、「思った通りに動かせる体を作る」ということです。歩いたり、走ったり、自転車を漕いだりといった有酸素運動は常に周りの景色の移り変わりや地面の起伏変化などの影響を身体は感じ、それに反応しようと神経や筋肉が絶え間なくコントロールしています。これによって普段はあまり刺激を受けることが無く眠った身体機能が活性化され、神経伝達の改善に繋がります。
このように、有酸素運動は健康状態の改善に大いに効果があるものです。もちろん、筋トレなどの無酸素運動も大切なので、両方をできればベストです。しかし、今の時代、みなさんお忙しいですよね? どちらか一方しか時間が確保できないのであれば、「有酸素運動を行ったほうがさまざまな効果が期待できる」と言えるでしょう。
屋外と室内、どちらで行うのがベストか
有酸素運動の種類としては、先ほども挙げたように「走る、歩く、自転車に乗る、縄跳び、ボート漕ぎ、水泳」などがあります。これらは、「屋外で行うもの」と「ジムや自宅など室内で行うもの」に分けられます。
それぞれにメリット・デメリットがあって、「外を歩く、走る、自転車を漕ぐ」といったことは、すぐにでも始められるし、お金も基本的にはかかりません。しかし、天気によって左右されやすく、「暑いから」「寒いから」「雨が降っているから」などと言って諦める原因にもなりやすいのがデメリットです。心当たりがある人も多いのではないでしょうか。
一方、「室内で自転車を漕ぐ、ランニングマシーンに乗る、水泳をする」といったフィットネスジムや公共のプールなどで行う運動については、施設の利用料がかかるし、そういった施設まで行かなければならないというデメリットがあります。しかし、天候に左右されずに取り組めるのは大きなメリット。また、最近では「低酸素トレーニング」など、高地環境を再現して効率よくトレーニングができる施設などもできているので、「そこに行かないと得られない効果がある」という特長があるものもあります。
どちらも一長一短あるものですが、先程の神経伝達の改善のところでも述べた様に、外で行う運動は周りの景色が変わったり、地面の起伏の変化など環境の変化が身体への刺激につながり良い効果をもたらす事も多いに期待出来るので、屋外をどちらかというとお勧めします。
強度と疲労も気にかけて
他にも、有酸素運動を行う上で考慮しておくべきことが2つあります。それは、「強度」と「疲労」です。
「強度」とは、心拍数や足の蹴り出す強さ、酸素の最大摂取量などで測ります。そういったものを調べつつ、その人に合った心拍数を意識しながら運動することによって、欲しい効果が得られやすくなるのです。
「疲労」は、心拍数の変動や血液の数値、筋肉の状態などで調べます。疲労度が高い場合は、適度な休息が必要です。また、走る姿勢や腕の振り方、歩幅、スピードなども影響してくるので、本格的にトレーニングしたい場合は、専門家に相談する方が良いでしょう。
仲間と一緒に取り組むことで運動は続けやすくなる
このように、有酸素運動にはたくさんのメリットがあります。しないのはもったいないと思いませんか?
私自身も年齢が上がるにつれて、瞬発力が必要な競技より、マラソンやトライアスロンといった有酸素運動を行うことが増えました。有酸素運動は誰でも、何歳になっても取り組みやすい運動という意味でもおすすめです。
一方で、独自のトレーニングによって膝や腰を痛める人も少なくありません。私も知人から「走っていたら膝が痛くなってしまって……」と相談されることも多いです。走る際のフォームが悪かったり、強度が強すぎたりとさまざまな理由があるので、できることならひと月かふた月に1回程度、定期的にプロにチェックしてもらうのが一番いいと思います。
そこで、私たちGROUND RULE.では、来月3月より月に1,2回、「走ろう会」の開催を企画しています。場所はお店から近いコースである金山川や瀬板の森コース。時には目的地まで◯◯を求めて、、など。週末にみんなで集合し、それぞれのペースでスタート。私たちトレーナーが、ウォーミングアップの方法や正しい体づくりの方法、簡単なフォームチェックなどをお教えします。
一人ではなかなか運動を始める気になれなかったり、始めても続かなかったりする場合でも、誰かと一緒に始めると続けやすいものです。興味がある方はぜひこちらのホームページ又は、GROUND RULE.公式のインスタグラムをチェックしてくださいね。今年は運動習慣を身につけて、健康な未来を手に入れましょう!
投稿者:矢野耕二