その運動方法、あなたに合っていますか? 正しい運動は、体の状態を知ることから
正しいトレーニング方法の見極め方は?
こんにちは、GROUND RULE.矢野耕二です。
GROUND RULE.は、「Exercise is medicine(運動は良薬である)」をコンセプトとしたパーソナルトレーニングジムです。私たちは、運動初心者の方や痛みがある方、結果を出したいけれど一人で難しい方など、よりパーソナライズしたサービスを提供することで、お客さまをサポートしています。
しかし、本来良薬であるはずの運動も、やり方を間違えると怪我や痛みの原因になったり、余分な筋肉がついてしまったりと、良くない方向に作用することも。なぜなら、トレーニングの方法が間違っていたり、過剰にやり過ぎていたりする場合があるからです。
自己判断で間違うことも多いのですが、一方で、最近では知識のないトレーナーの指導によって、怪我や病気になってしまうトラブルも起きていて問題になっています。
https://mainichi.jp/articles/20230519/k00/00m/040/148000c
そんなことにならないためには、トレーニングを受ける側も知識をつけて、きちんと指導ができるトレーナーを選ぶ目を持つ必要があります。
そのためにも、まず自分の体の状態をきちんと理解しておきましょう。
自分の体の状態を知ろう
人の体の状態は、機能的に動かせる状態かどうか、そして痛みがあるかどうかで以下のように分類できます。
一番良い状態は、①「動きの制限が無く、かつ痛みがない状態」です。一方、これと正反対の状態が、②「動きに何らかの制限があり、かつ痛みがある状態」になります。
この2つは、第三者から見ても非常にわかりやすいです。①は健康で問題のない状態であり、②はどこかに問題を抱えており、思った通りに動けない状態と言えます。例えば、「腰痛があって、動くのがつらい」「四十肩で腕が上がらない」などが②に当たります。
ただし、この①と②の間には以下のグレーゾーンがあります。
例えば、「③機能的であるが、痛みがある」とは、日常生活には問題がないものの、普段はしないある一定の動きをしたら痛みを感じるという状態のことです。
もう一つの「④機能的ではなく、痛みがない」もグレーゾーン。「体が硬くて前屈はできないけれど、別に痛みはない」といった状態がこれに当たります。
こういったグレーゾーンの人は非常に多いのですが、「普段は痛くないから別にいいじゃないか」と放置しておくのはおすすめしません。5年後10年後に腰痛や肩こりの原因になりかねないからです。つまり体の状態とは、「痛いか、痛くないか」や「動くか、動かないか」だけでは計れないのです。
「体が思った通りに動かない理由」もさまざま
もう一つ、体の状態を見る視点として、「モーターコントロールが正常かどうか」があります。モーターコントロールとは、「運動するために必要なさまざまな機構を調整する能力」のこと。体は、脳から手や足、指などに「こう動きなさい」と信号を出して、動かしています。これが「モーターコントロール」です。
例えば、足指で「ジャンケン」をしようとすると、中には「全然足の指が動きません!」という人もいます。この場合、足指の機能に問題があるのではなく、モーターコントロールが上手にできていないため動かない状態のケースがほとんどです。そのため、足の指を動かす練習をすると、次第に思った通りに動かせるようになることが多いです。
足指の動きを例に挙げましたが、このことは他の部分にも起こり得ます。ですから、体が思った通りに動かない時に、体が硬いから動かないのか、モーターコントロールがうまくいっていないからなのかを見極める必要も出てきます。
痛みなく、正しく動ける体を目指して、現在地を確認
このようにさまざまな角度から知識のある人が確認しないと、体の状態は正確に判断できない場合が多々あります。
せっかく運動するなら、体にとって良薬になるような運動の仕方をしていただきたい。ですから、ぜひ健康診断を受ける感覚で自分の体の機能がどのような状態になっているかをプロに見てもらって、ご自身の「現在地」を知っていただきたいと思っています(詳しくは、こちらをご覧ください)。
私が勉強した身体の動きを判断(スクリーニング)するための「FMS(Functional Movement Screen)」という資格の原理原則では、「まず痛みがないこと」を一番に掲げています。次に、「正しく動けること」。そして、その二つをクリアしているなら「たくさん動きましょう」と謳っています。
でも、実際には、正しく動けなかったり痛みがあったりするのにたくさん動いている人もいます。「まず痛みがないこと」「正しく動けること」を確認するためにも、一度現在地チェックをしてみることをお勧めします。
体の状態にあった方法で、運動を楽しんで
現在地をチェックして自分の体の状態がわかったら、それに合わせて運動しましょう。
もちろん、何も問題がない①状態であれば、外をランニングしたりスポーツをしたりと、自由に運動してもOKです。24時間フィットネスのようなところを利用するのも良いでしょう。その場合でも、ずっと一人でトレーニングしていると、偏りや歪みが出たりもするので、定期的に自分の現在地を調べるチェックはしていただきたいですね。
また、「もっとレベルを上げたい」「モチベーションが続かないからサポートしてほしい」といった場合は、パーソナルジムなど、併走してくれる人がいる場所を利用されるといいと思います。
①以外の状態の方は、まずは一度専門家に相談して、自分の状態に合わせた運動から始めてください。痛みがある場合も、「安静にしておいた方がいい時期」や「今動かさないと動かなくなってしまう時期」などがあります。そういったことも踏まえて指導してくれるところがあるとベストです。
プロのトレーナーであれば、正しくあなたの現状をチェックしてくれるはずです。ただ、もしも依頼したトレーナーが、筋肉量や体重などを機械で計測するだけで、動きまで見てくれなかったら要注意。その人はプロのトレーナーというには知識不足かもしれません。
もちろん、GROUND RULE.にお越しいただければ、しっかり体の状態を見た上で、その方の状態に合わせた運動方法をご提案します。もし、家が遠くてGROUND RULE.には通えない、といった方もご相談いただければ、お近くのトレーニングジムで、信頼できる場所をご紹介することも可能です。気軽にご相談くださいね。
投稿者:矢野耕二